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廃棄されてしまうような“不要品”に新たな意味や目的を創造する、リパーパス・プロジェクト。

ベースになっている衣服は、メンズのアイテムが中心ですね。

量産することが前提にあるので、ある程度量が確保できるメンズウェアを中心に集めているのですが、それとは別に一点物用の衣服もコツコツ集めています。今回は、一点物用の衣服とストックしてあるディテールを組み合わせて作りました。

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ディテールの素材はどのように集めて保管しているのでしょうか。

普段、リメイクアイテムを作る際に余ったパーツは、腕、身頃、ポケット、ボタンなどとディテール毎に分けてストックしています。最終的に素材として使用した衣服は、丸々一着使い切ろうと考えています。どのディテールがどこにあるのかは基本的に頭の中に入っているので、そこからデザインを考えることも多いですね。

アイテム毎に異なる技法を用いていますね。どのようなことを考えて作られたのでしょうか?

今回のプロジェクトでは、前後ろ逆で着られたり、取り外してバラバラに着ることができるような遊びを取り入れたアイテムを作りました。色々なアイディアをディテールに落とし込むことでより自由な着方を提案したいですね。また今回は、ユニセックスのイメージを軸にしつつ、デザイン的にはアメカジ寄りのアイテムをモードにも見えるように意識しました。

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メンズウェアに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

元々、自分の身体にないものに興味がありました。女性の方が身体に凹凸があるので、立体的なアイテムが多くメンズの衣服とは造形へのアプローチがかなり異なると思います。一方、メンズウェアは平面的で機能面に特化したアイテムが多く、そういった機能的なデザインに惹かれていきました。私の物作りは、レディース的な視点ももちろんあるのですが、あくまでメンズ的なデザインの考え方が中心になっています。

メンズウェアの考え方というと以前働いていらっしゃった某メンズブランドで培われた経験も大きいと思います。どのようなことを学ばれたのでしょうか?

そうですね。同ブランドでの最初の二年間はパタンナーとして働かせていただきました。ある時期にデザイナーが持ってきたアイディア一つに対して、三つ位の提案で返そうと思ったタイミングがあったんです。それを繰り返していく内にデザイナーのアシスタントになりました。デザインをするようになってから改めてパタンナー時代を振り返ると考え方が全く違うことに気付きました。

その違いとはどのようなものだったのでしょうか?

パタンナーは、試行錯誤しながらデザイナーのアイディアをどう具現化するかを考えるのでゴールを逆算しながら作ることが多いと思います。一方、デザイナーは、その工程や習慣を無視してでも「これがやりたい」と思う感覚が重要です。限界を超えた時に良い物ができるといった感覚ですね。私自身も無理という言葉を絶対口にしないと決めましたし、デザイナーのゴールはもっと先にあるということを学びました。

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衣服を作る際、即興的に作るタイプとまず頭で完成図を設計してから作るというタイプがいると思います。ご自身はどちらのタイプでしょうか?

私は直感的に即興で作るタイプです。先程の話でいうとデザイナーとしての考え方で作りたいと思っています。量産するアイテムも作った後にパターンを考えます。新品の服を作る際は0を100にする作業だと思うのですが、リメイクアイテムは、既に100の状態の物をまた別の100にする作業だと思いますので。

表参道のYUUMIARIAのアトリエショップでは、リメイクアイテムの製作やお直しを行っているそうですね。

単に裾上げをするだけではなくて、その方にあったデザインを考えながら直しています。少しお時間は掛かるのですが、YUUMIARIAの商品以外でもリメイクアイテムを作ることは可能です。

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リメイクや量産のアイテムを作る際、どの時点で完成だと思うのでしょうか?

だいたい寝かせますね。できたと思ってから寝かせて、違う目で見てもやっぱりできていると思う瞬間に完成したなと感じます。

ブランドの根幹にサステナブルへの意識があると感じます。今後の活動の中で取り組んでいきたいことはありますか?

端切れを余すことなく使うなど、まずはできることから引き続き活動していきたいと思います。小さなことからコツコツと積み上げていきたいですね。

Interview text_ SHINGO ISOYAMA
photography_ DAISUKE HAMADA
hair & makeup_ HAYATE MAEDA
model_ LAN / YUUKI TANII


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