スタイリスト山口翔太郎氏によるアーカイブファッションの新解釈

設立者であるデムナ・ヴァザリアが去ることとなったVETEMENTS。来シーズン以降、どのようなコレクションを発表するかは蓋を開けてみないとわからないが、一つだけ言えることは、デムナが率いたシーズンのVETEMENTSは、ファッション史にその名を深く刻み、後世に語り継がれるブランドだったということ。そしてそれはすなわち、アーカイブとしても価値を残すということである。10年後も30年後も、デムナ・ヴァザリアというデザイナーがファッション業界で活躍し続ける限り、彼が手がけたVETEMENTSのアイテムは輝き続けるに違いない。このゴールドのベロアジャケットだってそうだ。クラシカルなシルエットとそれを裏切るかのようなカラーリングが実にVETEMENTSらしい一着は、今シーズンはもちろん、何十年後だって新たな気持ちで袖を通せるはず。今シーズンのコーディネイトのお手本としては、このジャケットを主役にしたシンプルかつスタイリッシュな着こなしをおすすめしたい。足元にはMaison Margielaのジャーマントレーナーを合わせてよりクリーンな印象に。

山口翔太郎／SHOTARO YAMAGUCHI

1987年京都府生まれ。YOSHI MIYAMASU氏に師事し、11年に独立。スタイリストとしてのキャリアをスタートさせる。『Them Magazine』『TANK Magazine』『FIGARO JAPON』『MilK JAPON』などのファッション誌他、ファッションカタログや広告、セレブリティなど多岐の分野にわたって活躍している。メンズやレディース、キッズからジュエリーまで、ジャンルの垣根を超えた仕事が特徴。現在eight peace所属。

STOCKLIST

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Direction&Styling_ SHOTARO YAMAGUCHI
Photography_ YUJI FUKUHARA

ARCHIVE STYLING Vol.33