INTERVIEW ABOUT MARGIELA / OR NOT EDITORIAL TEAM
1. 映画『マルジェラが語る“マルジェラ”』 の感想をお聞かせください。
実は数年前、映画公開直前に本映画のデータが流出したことがあり、海外ファッションメディアではそれがちょっとしたニュースにもなっていました。知人の多くも観たと言っていまして……。そして2年を経て、観させて頂くことになったのですが、そこにはマルタン本人が登場しており、また歴史的な服の数々について、隠れた意味や制作秘話を聞くことができ、マルジェラファン必見の映画だと感じました。
2. マルタン・マルジェラの服を目にした最初の瞬間はいつ、どこでしたでしょうか? その時の感想をお聞かせください。
2000年初頭の、白く覆われた何かが写ったヴィジュアルだったように思います。
3. 最も印象的なマルタン・マルジェラのショーやアイテム、表現方法などについて、思い出やご意見などをお聞かせください。
数え切れませんが、全てを白で覆い尽くす表現方法が最も印象的であり、かつブランドアイデンティティとして今でも強烈に残っていることが凄いなと感じます。
4. ファッション史を振り返って考えてみた時、ファッションデザイナー マルタン・マルジェラ はファッション界にどのような影響を与えたと思われますか?
サステナビリティという言葉が氾濫している現代ですが、ブランド設立当初から古着だけでなく、時には割れたお皿までをも服として仕立ててしまう彼の創作手法は、サステナビリティについて叫ぶ現代ファッション界が再注目すべきものであり、汚染されたファッション業界を救うヒントはここにあるのではないでしょうか。そして彼は、あらゆる日常着を賛美していた人物であると考えています。未だに人間ヒエラルキー構造を重んじてしまっているファッション業界は、彼のそうしたスタンスをも参考にし、自分たちを見つめ直すタイミングを迎えているのではないでしょうか。
5. マルタン・マルジェラが作る服そのものは、他のデザイナーが作る服とどのように異なり、どんな所に凄さがあったとお考えですか?
服そのものに潜むコンセプトの深さ、アイディアの斬新さなどももちろん素晴らしいのですが、何よりもマルタンの考えは彼自身のブランド以外でも応用することができる、コピーレフト的アイディアだったと考えます。マルタン以降のブランドたちは、マルタンの考えをコピーもしくは参考にすれば良かったのですが、後続ブランドの多くが、マルタンが創り出した成果物の外側だけを拝借するケースが多いように感じ、残念な思いがします。
8. 現在、アーティストとしての活動をしていると言われているマルタン・マルジェラですが、いつかファッション界に復帰して欲しいと思われますか? 今後の彼にどのような活動を期待しますか? その理由と共にお聞かせください。
アーティスト活動をされているという現在のマルタンですが、たまには「服作り」というアーティスト活動もしてもらえたらと願うばかりです。
9. マルタン・マルジェラ本人に、メッセージをお願い致します。
今のファッション業界の在り方を見たら、どのように感じられるでしょうか?
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